マレーシアの今、を見る

現代マレーシアの産業はおもに電子機器製品と金属製品による興業がメインとなっている。金属製品に関しては鉄、スチール、非鉄金属が主流で、2007年のデータでは年間生産額は約350億リンギ(1リンギ=30円程度)。電子機器製品では電気製品、電子コンポーネントなどが主流で2007年の年間生産額は約2150億リンギ。電子機器製品の分野が非常に発達していることがわかる。そのほかには医療機器や機械装置などの生産もマレーシア産業の重要な分野となっている。

 

マレーシアといえば天然ゴムやすずを連想する人も多いのではないだろうか。かつてマレーシア経済はこの2つの生産・輸出によって成り立っていたといっても過言ではない。最盛期にはマレーシア産業の6割以上をこの2つの生産で占めていたこともある。しかし特定の産業に頼るのはリスクが高いこと、どちらも枯渇の問題や自然環境への影響が考えられることから工業化へのシフトが1980年代から本格的に行われるようになった。当時世界全体で進んでいた近代化への適応も脳裏にあっただろう。その目論見は結果として成功を収め、現在では東南アジアを代表する工業国、そして東南アジア経済の中心としての地位を不動のものにしている。この点は現在目覚しい発展を遂げている東南アジア諸国の経済発展におけるひとつのモデルケースとなるだろう。

 

現代マレーシアの産業ではあと2つ、取り上げておくべき点がある。まずパーム油の生産。マーガリンや石鹸などに欠かせない油だが、マレーシアの生産量はインドネシアについで世界2位。しかも3位のタイの生産量は10分の1以下とこの2国が突出した数字となっており、重要な産業のひとつとなっている。

 

もうひとつがIT産業。マレーシアでは90年代半ばからIT産業の振興を目指すMSC計画を実行しており、現在ではかなりの効果があがっている。2020年までに東南アジアのIT産業におけるハブになる、そして先進国の仲間入りをすることを目的としているこの計画は海外のIT企業にとっても門戸を開き、投資をもたらす役割も果たしている。